vol.14 偏った考え方になっていませんか?
「トレードオフ」をご存知でしょうか?
トレードオフとは、
何かを得ると別の何かを失うという
相容れない関係のことを言います。
平たく言えば「あちらを立てればこちらが立たず」です。
たとえば、誰もがいくつになっても健康を維持して
気持ちよく暮らしたいと思うことでしょう。
今ではインターネット上でもテレビでも、
数多くの健康情報が溢れています。
そういった膨大な情報を見て選択に困っていませんか?
「◯◯と△△では、どっちが体にいいの?」などと。
確かに、
ある健康法を評価する話もあれば
否定する話がどちらもあるので混乱するのも
無理はないことでしょう。
ここで問題です。
次の二つの主張はどちらが正しいでしょうか?
一つは、
「野菜を加熱すると、ビタミンなどが減ってしまう。
だから野菜は生で食べたほうがいい」
もう一つは
「野菜は加熱すると身体にいい抗酸化物質や
抗がん物質が増えるから野菜は茹でたほうがいい」 ・・・。
実は二つの主張はどちらも間違いではなく、
確かなエビデンス(科学的根拠)があります。
つまり、生野菜と茹で野菜には
それぞれメリットとデメリットがあり、
完璧な食べ方は存在しません。
これがトレードオフの意味するところです。
これは人生そのものにも当てはまります。
現状維持したい自分でありながら、
未来に不安を抱えている自分もいます。
今のままではどうなるか分からないとは
誰でも薄々分かっていることでしょう。
でも、何も代償を払わず、現状維持ができると思いますか?
そうは思わないでしょう。
未来も現状のままで生活できているなら、
貯金をする必要がないでしょう。
もちろん、今よりより良くしようすることも同じです。
現状のままで自然と都合よく、
より良くはならないでしょう。
だから、今の楽しむ時間や大事なお金を
未来のために使っているはずです。
つまり、
「今」か「未来」かのどちらか一つを
選択していることになります。
同じ時間や同じお金で
現状維持とより良い未来を両立させることはできません。
これもトレードオフです。
年齢に関係なく、生きている限り
ずっとつきまとう問題です。
もちろん、未来は何とかなるからと
今の自分にとって心地よい選択をすることが
悪いということではありません。
問題は、その選択によってエラーが起きるたびに、
自分のことを棚上げして
(やってこなかったこと、相応の代償を払っていない)、
自分以外のせいにしてしまうことです。
それでは、根本的な解決しないし、
人生に最も必要な良い人間関係を保てることはできないでしょう。
自分の悩みや問題や不安は、
今の自分の能力では解決できないから起きていると言えます。
ということは、
今理解できることや今やれることでは解決しないということです。
答えは出ているのに、
同じ方法で違う結果を望むことはできません。
では、どうすればいいでしょうか。
先述したことで言えば、
偏った食べ方をしないことです。
いろいろな料理をバランスよく食べるしかありません。
或いは、現状も大切でしょうが、
未来のことにも目を向けることです。
もちろん、今のことばかりでは、
未来に対する不安や悩みが大きくなるでしょうし、
未来のことばかりでは、心が荒むことでしょう。
すべては自分で最適なバランスを取ることです。
つまり、
適切なことを、
適切なときに、
適切な度合いで、
適切な動機から、
適切な方法ですることです。
これは古代哲学者アリストテレスが言うところの
「中庸(ちゅうよう)」です。
しかし、中庸は普遍的なものですが、
どんな状況においても中庸を見極めるのは容易ではありません。
そのときの状況がつねに変化し現われ、
それぞれの状況で何が適切かは
その時の自分の能力や
限りある知識の範囲内でしか評価判断できません。
だから、多くの引き出し持って解決できるように、
知識の巾(教養)を日々積み上げておくことです。
それに加えて一人ですべてを解決できることはありません。
良い人間関係(頼れる人も含む)、信頼関係を築き保つことです。
ですが、
これらは一朝一夕でできるものではありませんし、
誰しも限界はあります。
それらを踏まえれば、
最後はこれが一番大切なことですが、
その時々の自分の能力を受け入れること(自己受容力)です。
どんなときも不都合な想定外は起こり得ます。
不都合な出来事が起きた時に、
いかに自分にも人にも優しくなれるかです。
それでは、そんな余裕のある心を持って維持するには
どうすればいいでしょうか・・・。

