vol.19 もうあきらめていませんか?
いつかはやろうと思っていることありませんか?
それが自分にとって、
目標であったり、
人生の幸福をもたらすものであったり、
日常を心豊かに過ごせるものだったりといろいろと
「思い」は誰しもあると思います。
といっても、
時間がないからとか
お金がないからできないということでもありません。
或いは、人間は追い込まれないと行動しないということで
期限を区切らないからという話でもありません。
一つの考え方として
「いつかやろうと思っていることは生涯やらない」と
私自身は思っています。
そうなれば
自分にとって幸福なことなのに
簡単にあきらめています。
そういう意味では
たいていの人の人生は「やり切る人生」より
「やり残す人生」です。
せっかくの一度きりの人生、
「いつかやろうと思っていること」をやれるようになるためには
何が必要かを一つ考えてみましょう。
今までの人生であきらめずに取り組んできたものがありますか。
或いは今取り組んでいるものはありますか。
何より日常であきらめることに慣れ切っていませんか。
何かをやろうと思っても、
もしかしたら、
時間をかけるだけの価値があるだろうか、
無駄にならないだろうか。
失敗して苦しくならないだろうかという思いが先に湧きませんか。
そうです。
人の性質として、
常にプラスよりマイナスから先に考えます。
だから、
できる理由よりできない理由、
やる理由よりやらない理由が
先に思い浮かぶのが自然なことです。
人の行動原理は快楽を求め、苦痛を避けることです。
それは「今」のことです。
特に、失敗したくない、
損をしたくないという苦痛の思いのほうが強いことは理解できますか。
やるための動機づけは
確実にしかも早くできること、
やれること、得られることを望むものです。
たいていのやるやらない決断は
そのときの損得勘定で決めるものです。
それでは、自分との約束を守り続けていることありますか。
普通、人との約束はたいていの人は守るものです。
なのに、
自分に対して決めた約束は簡単に反故にします。
あるいは、
気分によってしたりしなかったりになります。
あるいは、なかったようにしてしまうこともあります。
そうです。
自分に対する約束は誰からも叱られることもないし、
人から言われる筋合いのないものです。
別にやらないからといって
他の人が困ることもないものなら特にそうなるでしょう。
だから、
自分との約束を守るためには人に宣言したり、
人から褒められたりと良い意味で
人に話すことで関心を持ってもらうようにすることはよくあることです。
誰にも言わず、
一人でモクモクと地道なことをやり切ることは、
人間の性質上、とても難しいことです。
人生は一度キリだから、
「日々を楽しむこと」はよく聞かれることで
実際にそう思っている人も多いことでしょう。
そのとき抱く楽しい感情のままに生きることが、
本来の生き方だと思うことは自然な発想です。
ストイックな生活ばかりでは窮屈であり、
目先の喜びがなければ、
いつかやろうと思う気持ちも生まれないでしょう。
進化の過程では、
目の前の瞬間を生きられる生物が
おおむね生き残ったのも事実です。
しかし、いまや価値観の多様化や
いろんな便利なものに溢れた現代社会において、
楽しいことばかりを求め続ける人生は、
逆に自分自身の自由を奪うことになります。
食べたいときに美味しいものを食べ、
好きな時に楽しく遊び、
やる気がでなければ仕事を休み、
何も縛られない自由な生き方をする。
そんな暮らしに憧れる人も多いかもしれませんが、
実際のところ、そこに自由意志はほとんど存在しません。
ここでいう日々を自由に楽しむ人生とは、
裏を返せば、発信者や提供者側の思うままに
食欲や射幸心を操られ、
やる気のなさを言い訳に
自らの行動を縛りつけた状態だからです。
「何も縛られない自由に楽しむ人生」といえば聞こえはいいものの、
その実態は「感情の奴隷」となっているにすぎません。
それゆえに他人の手によって
感情を刺激されコントロールされていることも珍しくありません。
これらを踏まえて、
あきらめないことや自分との約束を守ることほど
難しいものはありません。
いつかやろうと思っていることを実際にやるためには、
邪魔する要因が自分自身にも環境にもあります。
それに抗うには、自分自身の感情に
あえてブレーキを踏む訓練をするしかありません。
それが自分をコントロールする力、「自制心」です。
しかし、それは決して堅苦しい生き方ではなく、
人生のコントロール権を自分自身でとり戻し、
長期的により大きな幸せを導くポジティブなプロセスです。
悩みのない、問題のない、失敗のない、思い通りの人生だけが
果たして幸福をもたらすものでしょうか。
それらがあるからいろんなことが改善されて
よりよくなっていくものです。
それらを改善するための強い動機づけと
試行錯誤のプロセスを経ることこそが
人や社会をよりよくしていくものだと思っております。
それらの見方や考え方をポジティブに捉え直すことです。
悩みや問題や失敗を受け入れ、
それらを糧にして、紆余曲折しながらも、
あきらめずに、よりよいものを提供していけるように
日々の歩みを大事にしていきたいと思っています。

